第79章 偽善者の皮を剥ぐ

南坂海乃は息を呑んだ。

まさか――自分が彼と再会する場所が、こんなところだなんて。

「久しぶりだな。……俺の娘」

南坂広志が歩み寄り、南坂海乃の目隠しを乱暴に引き剥がした。

長い闇のあとに叩きつけられた光が、眼球を針で突くように痛い。海乃は思わず目を細め、手のひらで光を遮った。

背後から、娘の掠れた泣き声が聞こえた。

「ママ……ごめんなさい……」

振り向いた海乃の視界に飛び込んできたのは、かつて小綺麗だったはずの少女だった。いまは泥と埃で汚れ、頬にはくっきりと掌の跡が二つ。

腕も脚も椅子に乱暴に縛りつけられ、手首と足首には深い血の痕が食い込んでいる。

血が、一気に頭へ上った...

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